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除雪はもはや雪遊び

岩手の雪深い地域で生まれ育ち、
雪遊びはたくさんしてきました。

除雪もなかなか苦労する地域だったとは思います。
ですが、不思議と
「大変だった」という記憶がありません。

しんしんと日中に雪が降り続けた日は、
父が帰ってきて車が停められるように
母や妹弟たちとせっせと除雪。

夜通し降る日は、
翌朝の除雪量を軽減するために
夜寝る前に家族みんなで除雪。

大人の膝ぐらいの雪が
一気に積もってしまうこともありました。

しかしながら、
除雪すらも楽しかったのです。

今でも主人と一緒に除雪していると、
「楽しそうだね」
って言われます。

うん、楽しいです。

ご近所さんとか、
会う人会う人みんな口を揃えて言います。
「もうほんと除雪嫌だね」
「もう雪降らなくていいのにね」って。

わたしいつも返答に困ります。
除雪好きだし、
毎日大雪になってほしいくらいなので。

「そうですね」
って一応答えますけど、
冬になると自分に嘘をついた返答を
何十回何百回としなければいけないので、
結構しんどかったりします。

子どもの頃を振り返って考えると、
除雪というものを思い出したとき、
家族みんなの楽しい思い出に繋がるんですよね。

私たち兄弟は、
父の影響でかなり本格的にスキーをやっていたので、
除雪はいつも暗くなってからでした。

夜ご飯の前だったり、
夜ご飯の後だったり。

除雪する時は必ず家族みんなで。
強制ではなかったと思います。
自然とみんなが自分も自分もと外へ出ていたと思います。

父も母も私たちもしっかり防寒。
まるで雪遊びをしに行くように
みんなで外へ飛び出していました。

幼い弟たちは
除雪というより雪遊びですが、
父や母も私たちと遊びながら
除雪を楽しんでいるようでした。

家の前には川が流れていて、
しっかりとした土手がありました。
除雪車が近所の雪を集めてそこへ置いていくのですが、
家のまわりの雪もスノーダンプやソリ乗せて
せっせと運んでいました。

そこへ雪を運んで捨てた帰り、
父や母が空になったスノーダンプに弟をひとり、
ソリにまたもうひとり弟を乗せて
スノーダンプもソリのようにして戻ってきます。
きっとわたしも幼い頃はそうしてもらっていたのかな。

除雪していてもお願いすると、
父はふっかふかの雪の中に
私たちを投げ入れてくれます。

除雪が終わると、
いつの間にか雪遊びが始まり、
飼い犬も一緒にソリ大会。

もう夜の7時とか8時の話です。

父は除雪が終わってしまうと
ひとりさっさと家に入ってしまったような記憶ですが、
母と私たち兄弟はいつまでも遊んでいました。

きっとわたしが除雪が楽しいのは、
除雪さえも雪遊びの一環のように感じさせてくれた
両親のおかげなのかなと思います。

大人になった今でも、
変わらず雪遊びが大好きです。

昨年の冬、
主人と一緒に除雪していたはずが、
いつの間にか庭に秘密基地を作り始めていました。

ハッと気付いて主人を見ると、
大変そうにせっせと体を動かしています。
目が合うと、
「楽しそうだね」
また言われました。
「ごめん、なんか体が勝手に・・・」
「いいよ〜、遊んでて〜」
遠慮なくあそびに戻ります。
わたしは子どもか。

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