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2022 初めてのイグルーづくり 〜2日目〜

イグルーづくり初日、
作業は3時間でした。
土台となる部分の地面を踏み固めて、
2段目まで圧雪ブロックを積むところまで。

そして2日目。

この日は確か土曜日でした。
前日、圧雪ブロックの製作にあんなに苦労したのに、
根拠のない自信たっぷりで、
朝早くから作業したら夕方までには完成できるかも・・・
夜はイグルーに泊まれるかも・・・
しっかり寝袋などの準備をして乗り込みました。

朝9時前に到着。
20㎝ほど雪が積もっていました。
まだ雪が降り続ける中、
作業開始。

「2022 初めてのイグルーづくり 〜1日目〜」の記事でも書きましたが、
気温も湿度も低い北海道では雪が固まりにくく、
圧雪ブロックを作るにはかなり根気が入ります。

型を使ってブロックを作る方法以外に、
ある程度の積雪があれば、
降り積もった雪の重みで自然と圧雪された下の層から、
スコップやスノーソーで四角く切り出し、
天然の圧雪ブロックを作ることもできます。

このとき、
たくさん雪が積もっているように見えても、
積雪がまだ十分にありませんでした。

でも、
型を使って雪ブロックを製作するのはとても大変、
そしてなんとかして今日は泊まりたい、
その気持ちに負けてラクで近道に見える方向へ、
迷いながらも突っ走ってしまいました。

イグルーの内側とその周辺は、
前日の作業の行ったり来たりで踏み固まり、
そこからブロックを切り出せるのでは?
と考えました。

そしてもう一つの失敗点、
出入り口を大きく確保したままブロックを積んでいったこと。

イグルーは1段目を隙間なく並べ、
天井まで螺旋状に積んでいくことができるよう、
ブロックの上面に緩やかな傾斜を作ります。
そのために、
積んだブロックの一部を潔くカットしていきます。

1段目1個目のブロックなんて、
ほぼほぼ削られほとんど残りません。

せっかく作った雪ブロックを
自らの手で切り外す勇気がありませんでした。

最初から出入り口の空間を確保しておけば、
苦労して作った雪ブロックを無駄にしなくていいのではないか。
そんなふうに考えていました。

そのまま突っ走ること1時間半。
切り出すブロックの形はバラバラ、
屋根に向けて空間の上部を閉じていくために
少しずつブロックを内側にずらしていくも不安定、
大きく開いた出入り口の上を
どうやって塞いでいけばいいのか全くわからない、
そしてとうとう圧雪ブロックを切り出すための
踏み固められた雪がなくなってきました。

もうやっていることは、
イヌイットのイグルーづくりではなくなっていました。

これでいいのか?
このまま突き進んでいいのか?
迷い始めました。

今日完成させるならもう戻っている時間はない。
でもこのやり方では先が見えない。

何度も何度もYouTubeで見た
イヌイットがイグルーを作る様子が頭に浮かびます。

ゴールが見えた気がしました。

もう心は決まりました。

もう一度最初からやり直しです。
もう11時を過ぎていました。

全てのブロックを外し、
また使えるように避けていきます。

そして、
今度はちゃんと螺旋状に積んでいけるよう、
斜めにカットし緩やかな傾斜をつけます。

が、
が、
それがですね、
心の弱さってその辺にゴロゴロ転がっていて、
全てを捨て切るって難しくて、
また拾ってしまったんですよ・・・

ラクで近道に見えるが、
実は険しい道、
またいつの間にか戻ってしまっていたのです。

形も大きさもバラバラ、
思い切って作った緩やかな傾斜は消え、
あれ?螺旋状はどこへ?

午後1時、
どう足掻いても今日は完成できない。

朝から4時間、
氷点下10℃以下の中で延々と作業。

もう今日はやめよう。
明日また出直そう。

宿泊をやめ帰宅することをオーナーさんに伝えました。

すると、
「手伝いますよ!完成させましょう!」
と急展開。

他のスタッフさん3人と、
様子を見に来たお客さん2人が加わって、
6人でイグルーづくりをすることに。

わたしとスタッフさんの計3人が中に入り、
外側で型で作った圧雪ブロックを受け取り、
重ねていきます。

するとですね、
イグルーの外側でオーナーさんが叫んでいたんですね。

「おーい、川から水汲んでこーい」

え、水?

「雪の接着剤つくるぞー」

なんだかちょっと違う方向へ行きそうな予感。
心の中で「待って、待って、それイグルーとちがーう!」って叫ぶ。
散々自分も違うことやり散らかしたのに。

そして、手伝ってもらっているのに
やめてくださいなんて言えない。
べっちゃべちゃの水を含んだ雪の接着剤は使いたくない、
それだとブロックの線が消えてしまう、
なんて、
なんて、
絶対言えない。

もう全てを受け入れました。

すると、
筋トレ大好きのオーナーさん、
ソリに雪と水を入れてまぜ、
重い雪のの接着剤を
どんっ、
どんっっ、
どんっっっっっ、
ものすごいパワーで叩きつけていきます。

イグルーの中にいるとそれが太鼓のように響きます。

一緒に中にいたスタッフさんが、
「ブロックの線なくなっちゃいますけど大丈夫ですか?」
と聞いてくれました。
大丈夫じゃなかったですが、
大丈夫というしかない状況。

そして恐れていた事態が起こりました。

オーナーさんのパワーに負けて、
イグルーの壁が崩壊しました。

3年前のことなのに、
イグルーづくりのいろんなことが鮮明に記憶に残っているのに、
この壁崩壊の詳細だけが抜け落ちています。

おそらく衝撃的で思考停止したんだと思います。

そのあとみんなで必死で修復して、
また壁が戻った状態がこちら。
↓ ↓ ↓

修復し切れなかった部分は欠けたままですが、
今日はやはりここまでだと諦めました。
1時間半みなさんに手伝ってもらい、
作業終了。

出入り口を作るところまではいけなかったので、
脚立で脱出。

いろいろありましたが、
最終的にはこの日の作業でできた土台が、
まるで氷のようなカッチカチの強い基礎となり、
イグルーを長期間安定したものにしてくれました。

スタッフのみなさん、
手伝ってくれたお客さん、
ありがとうございました。

今思い出しても、
この日が一番記憶に残っています。
ハプニングも含めて楽しかった日です。
でもやっぱり壁崩壊の前後だけはすっぽり抜けています。

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