もう何年もひそかに楽しんでいる、
松ぼっくり拾い。
山菜採りの感覚です。
目に入ったら拾わずにはいられない、
手を伸ばしながらも、
目はもう次の獲物を狙っている。

いつも袋がいっぱいにならないと終われません。
そこまでして何のために拾っているかというと、
薪ストーブの着火剤です。
白樺の皮と合わせて使います。
白樺の皮は燃えやすく、
松ぼっくりは火力を上げてくれます。

岩手の実家では
杉の葉をよく使っていましたが、
北海道で杉ってあまり見ないんですよね。
杉の葉もお気に入りですが、
松ぼっくりと白樺の皮の組み合わせも
楽しいです。
こうやってよく拾うようになって、
松ぼっくりにもいろいろな種類があることを知りました。
わたしがよく出会う松ぼっくりは、
3種類。
一番目にするのが、
こちらのカラマツ。

コロコロしていてかわいい。
乾いて開いたときの姿がうつくしい。
毎日使っている松ぼっくりです。
次に、
一番のお気に入りが、
ナガミマツ。

1個で十分の火力。
でも、
これを拾える場所、
1箇所しか知らないんですよね。
他の特徴としては、
カラマツに比べて、
ポロポロと少し形が崩れやすいです。
最後に、
着火剤にはならない、
エゾマツ。

白樺の皮の火が、
まったく燃え移らない。
松ぼっくりで着火剤にならないものがある、
ちょっと驚きでした。
それを確かめる前に大量に拾ってきてしまって、
庭にゴロゴロ大量に眠っていまして、
とにかく燃やすしかないかなと、
安定した火の中へ放り込むと、
炭のようにゆっくりゆっくり燃え続けるんですよね。
新しい発見でした。
野営をしていて燃やすものがない時は、
熾火を保つのに役立つかもしれません。
話は移ります。
松ぼっくりを拾うのに適している時期があります。
雪解けの時期です。

雪が残りわずかになってくると、
まだ白く残った雪の上に、
点々と松ぼっくりが顔を出します。
その状態で目に入る松ぼっくりは、
おそらく冬の間に落ちたのかな、
色艶も良く立派でしっかりしたものが多いです。
雪が溶け切ったころもまだ、
松ぼっくり拾いは楽しめます。
草が生い茂るまでは、
乾いた地面に乾いた松ぼっくりが目立ちます。

拾ってきた松ぼっくりは、
使い終わった米袋に貯め、
雨の当たらないところに置いています。

松ぼっくりはあと3年分くらい余裕であります。
使う量より拾う量の方が多いので、
どんどん増えていってます。

白樺の皮も同じように保管しています。

この松ぼっくり拾い、
ほんとやめられなくなります。
まだここへ越してくる前、
ぼんなのお散歩中に夢中で拾っていたら、
ぼんなのお友だちのママさんに声をかけられ、
「ドコドコで大きいの見たから今度拾ってくるね!」と言われ、
マンションの前に『ぼんなちゃんへ』と書かれた
大量の大小様々の松ぼっくりが入ったパンパンの袋が、
それから1週間に1度ほど届くようになり、
賃貸マンションの狭いバルコニーが
どんどん松ぼっくりだらけになっていったのでした。
わたしもそうでしたが、
最初は必要と思って拾っているうちに、
目に入ると拾いたくて拾いたくて仕方がなくなり、
もう中毒のように、
意識も足も手も、
松ぼっくりに支配されてします。
どうしたらやめられるか、
松ぼっくり入れの袋を持っていかない。
それだけです。
入れるものがなければ
何十個と目に飛び込んできても
何とか諦められます。
1個2個?
3個4個ぐらいは拾っちゃいますけどね。
松ぼっくり拾い、
いつやっているかと言うと、
ぼんなのお散歩中です。

ぼんなをうまく松ぼっくり広場へ誘導し、
くつろいでいる間にせっせと拾います。
主人も一緒に行くときは、
もう完全にそっちのけで拾いまくります。

大好きな冬が去ってしまう春は
いつもとても切ないのですが、
松ぼっくり拾いの楽しさが
優しく癒してくれます。