興味のないことは、
とことんやりたくない。
やりたくないと思ったことは、
絶対にやりたくない。
そんな性格なので、
子どものころ親によく、
いつかは本当に強情だな、
と言われました。
それでも、
やりたくないことをやらないといけない状況が
多々ありました。
4人兄弟で、
妹、弟、弟をもつ一番上の姉という立場。
母は入院したり寝込んだりすることが多く、
父も料理ができなかったので、
台所に立つことが多かったのです。
料理の面白さが分からず、
味噌汁は出汁なし、
醤油をぶっかけただけの、
肉野菜炒めを山盛り1品どーーーん、
終わり。
確か小学校6年生のときの話。
なぜ母がいなかったのかは覚えていないけれど、
学校行事で給食がなく、
お弁当を持参しなければならない日がありました。
その前後も、
みんなに朝食を食べさせていた記憶があるので、
おそらく長期入院していたのかな。
その日は、
自分のお弁当だけではなく、
職場に持っていく父のお弁当、
小学校4年生の妹のお弁当、
小学校1年生の弟のお弁当、
さらに朝食も食べさせて。
幼稚園の弟は給食があったのかな、
一番下の弟の分を作った記憶はありません。
どんなお弁当を作ったのか、
全く覚えていませんが、
とにかく大変だったことだけを覚えています。
そんな姉をもったからでしょう、
弟二人はかなり早くから料理に興味を持ち、
わたしが調理すると心配そうに眺め、
そうじゃない!と指摘してくるほどでした。
一番下の弟なんて、
小学校3年生のとき、
家の前の川から石を拾ってきて、
庭に石窯を作って、
コッペパン焼いてました。
ちゃんと生地からこねて。
わたしには全く興味なのい、
理解できない世界でした。
大人になってからは、
実家に集まると台所に立つのは弟たちで、
わたしが立つと邪魔者扱いされます。
そういえば、
5年ほど前、
弟が家に泊まりにきたことがありました。
手羽元とじゃがいもの煮込みを出しました。
一口食べて、
「これ、ねーちゃんが作ったの?」
ものすごい顔でこっちを見てきました。
「そーだよ」と答えると、
しばらくもぐもぐしながら考え込む弟。
「美味しいね」
と驚きいているような、
何だか不思議そうな顔をしている。
「どんな鍋使ったの?」
そんなにわたしが作ったって信じられないのか?
それぐらい美味しかったのか?
「この鍋だけど?」
とLA COCOTTE STAUB を見せる。
「何だ、そういうことねー」
どーゆーことだよ。
ま、そのぐらいわたしの料理は、
やっつけ仕事だったんですよね。
そそそそそんなわたしが、
なんと今は、
楽しくキッチンに立てているんですよ。
手づくり味噌の講座を受けて
味噌を仕込んじゃったり、
梅干しの講座を受けて
梅をつけてみたり、
醤油づくり講座も受けちゃいましたよ。
野菜くずを捨てずにせっせとためて
ゆっくりコトコト煮込んで
野菜出汁なんて作っちゃったり、
天気がいいとせっせと野菜を薄く切って
きれいに並べて「う、うつくしい・・・」
なんて思っちゃったり。
なぜそんな変化が起こったのか。
おそらく、
電子レンジや炊飯器、ロースター、トースター、電気ケトル、
それら全てが無くなり、
すっきりして新しいものが見えるようになったのかな、
と思います。
電子レンジについているいろんな機能、
40種類ほどの機能がついているのに、
いつも使っていたのは
「あたため」と
「カリッとあたため」
そのふたつだけ。
いつも思っていたんですよね、
たくさん機能がついているのに
全然使いこなせていないな、
こんなに機能がついているのに
使っていないのもったいないな。
そんなことがものすごいプレッシャーになっていた、
手放して気づきました。
何もなくなったら、
今まで感じたことのない興味とやる気が出てきて、
気付いたら丁寧に食事を用意できるようになっていました。
わたしは
わたしのできる方法で
わたしなりの心のこもった料理を作る
それでいいんだと。
STAUBで煮込む、
鉄板で焼く、
以上ですけどね。